全国伝統的建造物群保存地区協議会(通称:伝建協) 『歴史の町並』
1996年度頃から2019年度版まで、『歴史の町並』という年1回発行の機関誌の編集を続けていました。
昭和50年(1975)文化財保護法で、伝統的な建造物群が周囲の環境を含め歴史的な風致を形成している地区を「伝統的建造物群保存地区」として保存・整備する制度が生まれました。伝建協は、この歴史的町並みを有する市町村が加盟する全国組織です。令和3年度で123地区を数えられますが、毎年1〜3地区ほどが追加されています。事務局は長らく山口県萩市が担当し(現在は高山市から金沢市)、担当者とはその後も降りかかる諸問題に共に対処してきました。
当初は、文化庁や自治体の依頼により、写真家・三沢博昭さんが調査や報告書のために記録撮影していた町並みの写真が蓄積されたので、何らかのかたちで活用できないかという話から冊子がつくられるようになったと思います。いつからか三沢さんに引きずり込まれて私もお手伝いすることになりましたが、プロのオリジナル撮影と印刷にもこだわったので美しい紙面が評判を得て、毎年継続して発行していくことができるようになりました。
私も自分の興味もあり、ツーリングを兼ねて日本全国ほとんどの地区を訪ねましたが、新たな発見もしばしばで、毎年恒例の楽しい取材旅行の機会でした。今でも近くに行けばリピートを繰り返しています。
もともと、ここで蓄積し全国の歴史的な町並みの写真や情報をWeb上でも公開したいと始めたWeb修行でした。当初は個人サイト「まちなみネット」を立ち上げましたが、すぐに伝建協から反応があって予算もつき、2005年に公式サイトを開設して、その後、冊子の編集と共にホームページの運営・管理を担当していました。
伝建地区との関わりは、『別冊太陽 日本の町並み』(監修/西村幸夫 全3巻 2003−2004 発行/平凡社)の企画・編集にも繋がりました。
さらに、世界遺産登録に関連した『別冊太陽 石見銀山』(監修/田中琢 2007)や、1996年に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」が世界遺産に登録された際にも、その一連の記念出版を担当しました。
住まいの図書館出版局 「住まい学大系」
1987年から1999年にかけて、「住まい学大系」という叢書100巻の刊行に参画しました。編集長・植田実さんと会社設立・創刊準備から関わりましたが、じつにいろいろなことを学びました。「住居・建築・まちを探検するコンパクトブックス」を標榜して、幅広い視点から本づくりに取り組みました。装丁は、山口信博さん。
担当した中では、藤島亥治郎先生『明治少年記』、宍戸實さん『軽井沢別荘史』、木島安史さん『「孤風院」白書』、初田亨・大川三雄さん『都市建築博覧・昭和編』、遠藤明久さん『北海道住宅史話』、槇文彦先生『ヒルサイドテラス白書』、安藤忠雄さん『家』、清家清先生『「私の家」白書』、土井義岳さん『建築キーワード』などが印象深いものがありますから、白書や史料的なものが自分に合っていたのかなと思います。
HPも本業の傍ら自前でつくったサイトです。現在は、出版活動はしていませんが、スポンサーである積水ハウスのHPからアクセスできます。
一般財団法人 住宅生産振興財団(通称:まちなみ財団) 『家とまちなみ』
住宅地開発、まちづくりを手掛けている住宅メーカーが参加する財団です。機関誌『家とまちなみ』の編集を1999年3月(第39号)あたりから2019年10月(第80号)まで担当しました。このような財団法人の機関誌はつまらない内容になりがちですが、ここでは当時の専務理事・大川陸さんの理解もあり、相当自由に任せてもらえました。
東京郊外や大都市圏の鉄道沿線住宅地など戦前・戦後から、さらに急拡大する1970年代以降の良質な「計画された郊外住宅地」のほとんどを取材することができました。何度かセスナをチャーターして空撮することもできました。また、この分野の先駆者でもある建築家・宮脇檀さんの「まちなみ設計」のお仕事を振り返って記録に残す役目も叶いました。
雑誌の編集だけでなく、『日本のコモンとボンエルフ』(監修/中井検裕 2001 後に増補改訂版『住まいのまちなみを創る』2010)、『住宅地のマネジメント』(監修/大月敏雄 2018)など書籍発行やシンポジウム、研修プログラム「まちなみ塾」(2010−)など関連して企画・運営に携わった事業も増えて、2005年の株式会社江田編集企画室設立のきっかけにもなりました。
HPも1999年3月に私が見本サイトを立ち上げて必要性をアッピールしたものでした。コンテンツのベースづくり、維持管理から、ネットワーク管理まで、次からつぎへと更新される技術への対応を学びましたが、だんだん手に負えなくなり、2009年夏からは専門業者に譲って手を引きました。
公益社団法人 日本建築士会連合会 『建築士』
一級建築士30万余、その他を含めて総数約110万人の建築士資格者がいます(実働などの推定からか「建築士約70万人」と言われることが多い)。そのうち、約8万人ほどが各都道府県建築士会に加入していますが、その元締めとなる建築設計業界最大の組織です。
建築家・藤本昌也氏が会長職にあった当時、その業界最大部数を誇る会誌『建築士』(月刊)のポテンシャルを高めたいと意図されて編集委員会を大幅に改編されるのを期に、参画することになりました。
私は、2009年1月号から2020年3月号まで編集委員と制作担当を兼任してきましたが、その後はスタッフとして協力してきた佐藤雅夫君が引き継いでいます。