北海道・大沼国定公園の南、仁山高原スキー場は小・中学生の頃の思い出のスキー場。まだリフトがなかった頃は麓の仁山駅からスキー板を担いで、確か2時間ほどかけて登った。素朴な山小屋もあって泊まったこともある。ドラム缶を半分に割った半円の薪ストーブがあって、2階屋根裏の寝床は冬場の夜でも暑いくらいだった。
中学3年の早春、スキーシーズンも大方終わった頃、クロスカントリーのような感じでゲレンデの頂上から冬場では立ち入りが難しかったさらに奥まで行ったことがある。所々雪解けが現れている中、雪面を辿りながら滑ったり登ったりしながら広々と眼前にうねる高原が何処でどう進んでいるのかもわからず、怖い気もした。
2020年5月、函館から厚沢部・江差方面に繋がる227号線の途中から間道を北へ登っていくと北斗市の「匠の森公園」から、「きじひき高原キャンプ場」、「パノラマ展望台」へ至る。いつ頃このようなコースが整備されたか知らなかったが、なだらかな高原と牧場が一望に見渡される。
展望台から彼方に大沼や駒ヶ岳を眺めているとすぐ足下に草木に覆われたスキー場のリフト降り場跡が目に入った。それで一気に地形がわかった。あのときの高原がここだった。